第十一回あべの歌舞伎「晴の会(そらのかい)」

この夏、日本の伝統芸能である歌舞伎を鑑賞するため、あべのハルカス近鉄本店内にある「近鉄アート館」へ行ってきました。

今回鑑賞したのは、第十一回あべの歌舞伎「晴の会(そらのかい)」夏休み特別公演です。

歌舞伎と聞くと、

「言葉が難しそう」

「物語を知らないと楽しめないのでは?」

「少し敷居が高い」

そのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、今回の公演は、歌舞伎を初めて見る方にも大変分かりやすい内容でした。

近鉄アート館は、演者と客席の距離がとても近い劇場です。

表情や指先の動き、衣裳の美しさ、床を踏む音まで、間近に感じられました。

大きな劇場とはまた違う、一体感のある歌舞伎体験となりました。

「ようこそ歌舞伎へ」から始まる親しみやすい公演

昼の部では、最初に「ようこそ歌舞伎へ」と題したワークショップが行われました。

歌舞伎俳優のいろはや豆知識などを、実演を交えながら楽しく紹介してくださいます。

物語を見る前に、
歌舞伎の動きや表現の意味を知ることができるため、

「分からないまま舞台が進んでしまう」という心配がありません。

歌舞伎を初めて見る方や、子どもたちにとっても、

伝統芸能への入り口となる工夫がされています。

舞踊三題――三つの異なる魅力

続いて上演されたのは、「傾城」「粟餅」「橋弁慶」の舞踊三題です。

①「傾城」――美しさの中に心を映す舞

「傾城(けいせい)」では、

国一つを傾かせるほどの美しさといわれた女性が描かれます。

華やかな衣裳と優雅な動きだけでなく、

恋する心や相手を思う切なさが、しぐさや視線によって表現されます。

言葉が分からなくても、姿や動きを見ているうちに、その人物の感情が伝わってきます。

②「粟餅」――息の合った楽しい餅売りの舞

「粟餅(あわもち)」は、江戸時代に評判となった粟餅売りの夫婦を描いた、明るく楽しい舞踊です。

お客様を呼び込みながら餅を振る舞う様子が、

軽快な音楽と息の合った動きで表現されます。

歌舞伎というと重厚な物語を想像しがちですが、

このように親しみやすく、思わず笑顔になる演目もあります。

食に携わる者としては、

江戸の町で食べ物を売る人々の姿や、

当時の暮らしが舞踊の中に残されていることにも興味をひかれました。

③「橋弁慶」――弁慶と牛若丸、五条橋での出会い

「橋弁慶(はしべんけい)」は、

京都の五条橋を舞台に、武蔵坊弁慶と牛若丸が出会う物語です。

弁慶は、千本の刀を集めるために通行人へ勝負を挑んでいました。

そこへ現れたのが、身軽で美しい若者・牛若丸です。

大柄で力強い弁慶に対し、牛若丸は軽やかに舞うように立ち向かいます。

力と速さ、豪快さと優美さ。

対照的な二人の動きが、舞台の上で鮮やかに表現されました。

「三人ほら吹き」――歌舞伎はこんなに笑える

最後の「三人ほら吹き」は、今回新たな発想でよみがえった、上方らしい笑いに満ちた作品です。

腕自慢の剛の権蔵、知恵の回る半平、元気なお花の三人が、

それぞれ自分の得意なことを自慢しながら

お殿様のお屋敷に用心棒として雇ってもらうという話です。

ところが、お殿様が留守の間に3人が逆に盗賊だったという

留守中には思いがけない出来事が待っています。

大げさな自慢話、個性豊かな登場人物、テンポのよい掛け合い。

難しい理屈を知らなくても、見て、聞いて、素直に笑える演目です。

「歌舞伎は静かにかしこまって見るもの」というイメージが、良い意味で変わりました。

舞台と近いという観客席で臨場感は最高でした。

気が付いたら 歌舞伎役者の方々が 横に座っている 立っているというリアル感

私は、夜の部で参加しました。


最初の 【ようこそ晴れの会で】

過去10回の公演を振り返ってのお話で、役者さんが 浴衣姿でお話をされて

そのあと、鬘をつけて、衣装をつけて登場

衣装の話や汗だくになって走り回るなどのお話が、

最後の『三人ほら吹き』で なるほど~ と思いました。

舞台の上だけでなく 客席の階段の上から走って現れて 

かなりの時間のテンポのある踊り 会場は笑いと拍手の渦で 最高でした。



私は、昼間の活動として日本の食文化をどのようにしてこれからの子どもたちへ伝えるかを

微力ながらも活動してますが

食文化も伝統芸能も、体験してこそ受け継がれる と実感しました。

昼活の

オプティマルキッチン欒(おうち)では、

日本の食文化を大切にしながら、食品添加物や遺伝子組み換え食品など、
現代の食を取り巻く問題についても発信しています。

身体にとって心地よい循環を促す食べ物とは何か。

反対に、身体へ負担をかける可能性のあるものは何か。

日々の食事を自分で選ぶためには、

昔から受け継がれてきた知恵と、現代の正しい情報の両方を知ることが大切です。

今回、歌舞伎を間近で鑑賞して感じたのは、
食文化と伝統芸能には共通するものがあるということでした。

どちらも、知識として保存するだけでは次の世代へ残りません。

実際に味わうこと。

実際に見ること。

その場の音や空気を感じること。

そして、心が動いた経験を誰かに伝えること。

その一つひとつが、日本の文化を未来へつなぐ力になるのだと思います。

「詳しく知らないから」こそ、見に行ってみませんか

歌舞伎について何も知らなくても大丈夫です。

最初からすべてを理解しようとしなくても、

衣裳の色、音楽、俳優の表情、身体の動きなど、心に残るものが一つあれば、

それが伝統芸能への入り口になります。

特に今回のように演者と客席が近い劇場では、舞台の熱が真っすぐ伝わってきます。

「歌舞伎にはあまり興味がない」

そう思っていた方にこそ、一度、足を運んでいただきたいと思いました。

昔から守られてきたものは、決して古いだけのものではありません。

今を生きる私たちが受け取り、楽しみ、次の世代へ手渡していくものです。

食文化も伝統芸能も、まずは体験することから。

この夏、また一つ、日本の大切な文化に触れることができました。


【次回のお知らせ】

8月22日、23日には、国立文楽劇場で日本の伝統芸能に触れる機会を予定しています。

詳しい内容は、写真の通りです

伝統芸能に詳しくない方も、一緒に日本文化を楽しんでみませんか。

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