
①鉄腕アトムに会うはずだった一日。
②カンファレンス終了後のゲリラ豪雨
③夜中に鳴り響く地震警報と揺れ
④そして窓の下を進む夏祭りの神輿
こんなにも予定どおりに進まない旅があるなんて
2026年8月22日。
この日は東京で、楽しみにしていた予定がいくつもありました。
午前11時、原宿・神宮前エリアにある「Shun Art Gallery Tokyo」へ。
そこで開催されていたのは、
『鉄腕アトム』を現代アートとして表現した、
世界に一体ずつしかないアートフィギュアの展示です。
懐かしい鉄腕アトムが、
現代の技術と感性によってどのように生まれ変わっているのか。
写真やフィギュアをゆっくり見てから、
13時にベルサール高田馬場で始まるAIカンファレンスへ向かう予定
そのはずでした。
ところが、この日の旅は、
出発直後から想像もしなかった展開になりました。

朝7時9分、JR西宮駅を快速に乗り出発
7:57の新幹線には充分余裕を考えて
ところが、
JR神戸線の塚本駅―尼崎駅間で線路から白煙が上がり、
電車は尼崎駅で足止めとなりました。
どう考えても、原宿は、諦めて
現地で会う予定の方に連絡したら
明石駅からもう新幹線に乗りましたと
その為、私の状況を説明して 間に合わないので 会えないと
本来なら7時22分に尼崎駅を出発するはずだった新快速が、
ようやく動いたのは9時22分ごろ。
すでに約2時間が経過していました。
それでも、
「ここから新大阪駅まで行ければ、13時のカンファレンスには間に合うはずだ
そう思っていました。
ところが、火災があったと思われる場所を
ゆっくりゆっくり通り過ぎた直後、列車は再び停止。
線路脇には、
何台ものカメラが置かれていました。
周囲には目立った建物もありません。
「ここが現場だったのかもしれない」
そう気づいた瞬間、
前日に西宮神社で起きた火災のニュースが頭をよぎりました。
西宮神社の火災は、
出火原因が調査されている段階です。
旅の最中には線路の火災と聞き、
二つの出来事が重なって、
何ともいえない落ち着かない気持ちになりました。
動いたと思ったら、今度は人身事故
ようやく進み始めたと思ったのも束の間。
今度は、JR京都線の茨木駅―千里丘駅間で人身事故が発生しました。
車内には、次のような案内が流れました。
「この列車は大阪駅止まりとなります」
「前方に別の車両が停車しているため、その列車が移動した後にホームへ入ります」
朝7時9分に西宮駅を出たのに、大阪駅へ到着するまで約2時間半。
原宿で鉄腕アトムを見る予定は、キャンセル
何よりもカンファレンスに間に合わない
もう、考えている時間はありません。
大阪駅に着くと、
地下鉄御堂筋線へ向かってダッシュ。
新大阪駅を目指しました。
乗りたかったのは、9時57分発の「のぞみ」です。
ところが、JR新大阪駅の新幹線改札では、
何台もの自動改札機が点滅し、エラーが続いていました。
駅員さんは、対応に追われ 近くにはわずか2人。
その前には、自分のチケットの事情を説明しようとする大勢の乗客が集まっています。
このまま並んでいたら、新幹線に間に合わない。
「まず乗ろう。事情は東京駅で説明しよう」
そう判断して改札を通り、東京へ向かいました。
東京駅で事情を説明すると、必要な処理をしていただくことができました。
何とか東京までたどり着いたものの、
朝からすでに一日分の気力を使ったような感覚でした。

カンファレンスが終わり、
懇親会はやめてホテルで休もうと考え、
出口まで来ると
見たこともない 土砂降りの雨 ゲリラ豪雨!!
バケツをひっくり返したような雨
驚きました! 結局戻って
懇親会で簡単な食事もできたので
よく考えたら、朝から水だけ飲んで
18時まで 絶食の20時間
ホテルへ入る前に、
スーパーを見つけ
お水と炭酸水とおにぎりを購入して
ホテルにチェックイン
クタクタの足を伸ばしている内に
寝てました

深夜2時、突然鳴り響いた地震警報
その日の深夜。
眠っていると、突然、地震警報が鳴り響きました。
2026年8月23日午前2時ごろ、
茨城県南部を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生。
東京23区では最大震度5弱が観測され、
宿泊していた場所の周辺も大きく揺れました。
びっくりして飛び起きました。
結構揺れました。揺れが収まっても、心臓の鼓動はなかなか収まりません。
頭の中によみがえってきたのは、
阪神・淡路大震災の記憶でした。

体は東京のホテルにいるのに、
心だけが一瞬、あのときへ戻ってしまったようでした。
そんなとき、
翌日にランチをする約束をしていたKimmyからLINEが届きました。
「大丈夫?」
「どこに泊まってるの??」
LINEで言葉を交わしたことで、
張り詰めていた気持ちが少しずつ緩んでいきました。
その後も、
東京に来ていることを知っていた
関東近郊の方々から、次々と連絡が届きました。
遠く離れた場所で不安になっているとき、
誰かが自分を気にかけてくれる。
たった一言の「大丈夫?」が、
こんなにも心強いものなのだと、
改めて感じました。

いつでも外へ出られるように準備した夜
余震への不安もあり、そのまま眠ることはできませんでした。
シャワーを浴び、荷物をまとめ、着替えを整えました。
何かあれば、
すぐ外へ出られるようにしてから、
ようやく少しうたた寝しようとしたのは
気づけば午前4時30分でした。
そして、気がついたのは8時
部屋のテレビをつけようとしても、
操作方法が分かりません。
説明書を読んでみると、そもそも主電源が入っていませんでした。
ようやくテレビが映り、
インターネット以外の情報からも、
地震の状況を確認することができました。
そのときです。

どこからか、太鼓とお囃子の音が聞こえてきました。
「こんな朝に、何の音だろう?」
不思議に思って窓の下をのぞくと、
子どもたちと町内の方々が、神輿を引いて歩いていました。
高田馬場周辺で行われていた、夏祭りでした。
地震の朝にも、町の日常は動いていた
深夜の地震が怖くて、緊張したまま過ごしていた自分。
その一方で、窓の下では、子どもたちが元気に神輿を引き、地域の方々がいつものように祭りを支えていました。
「たくましいなあ」
思わず、そうつぶやきました。
太鼓の音。
子どもたちの姿。
町内の方々が一緒になって神輿を動かす風景。
不安でいっぱいだった心が、少しずつほどけていきました。
災害があったからといって、
すべての日常が消えてしまうわけではありません。
状況を確かめ、安全に配慮しながら、
暮らしを続ける。
地域の伝統を守り、次の世代へつないでいく。
それは、日本の町が持つ静かな強さなのかもしれません。
もう一度、鉄腕アトムに会いに行こう
朝になり、気持ちを立て直しました。
「昨日行けなかった原宿へ行き、鉄腕アトムを見てから銀座へ向かおう」
そう考えてホテルをチェックアウトして高田馬場駅へ
すると、何やらマイクアナウンスが線路沿いを歩いていても聞こえて来ました。
今度はJR東日本の人身事故による運転見合わせの情報が入りました。
原宿駅までは、ほんの少しの距離。
それなのに、また電車が動かない。
ここまで重なると、
もはや、笑うしかありません。
鉄腕アトムは空を飛べても、
こちらは、たった4つ目の駅の原宿へすらたどり着けない。
結局、原宿行きは断念しました。
地下鉄を乗り継いで銀座へ向かい、
エコウォーター東京へ立ち寄りました。
新しくなってからは初めての訪問です、と
受付の方と話しをして
ミネラルウォーターとジュースをいただき、
ようやくひと息。
万能機能水と、発酵ドリンク(キーウィ味)
口にしたとき、体だけでなく、
心まで少し落ち着いていくのを感じました。
銀座で出会った、見知らぬ人の優しさ
その後は、GINZA SIXにあるイタリアンのお店を探しました。
ところが、地図を見ても方向が分からず、
同じ場所をぐるぐる。
近くにいるはずなのに アレ?
みゆき通りの方向を確認しながら迷っていると、近くにいた男性が声をかけてくれました。
「どちらへ行きたいのですか?」
ビル名を伝えると、
「近くまで一緒なので、見えるところまで行きましょう」
そう言って、案内してくださいました。
知らない土地で迷っているときに差し出された、思いがけない親切。
旅行ですか?
いいえ、仕事のような?
人身事故の話をしていると、
今は電車は、運転再開して、ガラガラだと、妻からLINE来ましたよと、
大阪駅はいつ行っても工事してると話されたので、もう終了して綺麗になりました。
あっ、じゃあ梅田辺りに今度行ってみますと
ビルを教えていただき
交差点でお別れ
「ご親切に、ありがとうございます」
その言葉だけでは足りないほど、
ありがたく感じました。
そして、お店で
地震直後にLINEしたKimmyの顔を見た瞬間、
ようやく心からホッとしました。
予定どおりではなかったから、見えたもの
今回の旅では、予定していたことが次々と変わりました。
線路からの白煙。
路線での人身事故。
混乱する新幹線改札。
ゲリラ豪雨。
深夜の大きな地震。
翌朝も続いた鉄道の運転見合わせ。
楽しみにしていた鉄腕アトムの展示には、
結局たどり着けませんでした。
けれど、予定どおりに進まなかったからこそ、見えたものもありました。
心配して連絡をくれた人。
地震の翌朝にも、
神輿を引いて町の日常を守る人々。
銀座で迷っていたところを、自然に助けてくれた見知らぬ人。
そして、会っただけで安心できる友人の顔。
旅の思い出は、
訪れた場所や
食べた料理だけで作られるものではないのですね。
思いどおりにならないときに、
どのような人と出会い、何を感じたのか。
それもまた、旅が心に残してくれる大切な経験なのだと思います。
今回の旅で、鉄腕アトムには会えませんでした。
でも、人を思いやる心と、
日常を守り続ける人々の姿から、
アトムにも負けない「人間の強さ」を見せてもらった気がします。
鉄腕アトムは、どこへ飛んでいったのか分かりませんが 又、会いに行きます。
次こそは、どうか電車が動いていますように。
笑笑
Language
日本語














































